地球市民を育む学習
グラハム・パイク/ディビッド・セルビー 明石書店1997年
なぜ日本がアフリカや途上国に関わらなければならないのか、そういう疑問を持ったことはありませんか。この本の「寓話」のなかに、答えの1つが示されています。
『昔、ある教室での話です。生徒が先生に、反論しています。「グローバルな相互依存や問題、世界のほかの地域にいる人たちの考えや感じていること、してい ることをなぜ知らなくてはならないのか」と。先生は、夢に50年後の生徒の一人が怒って現れた、と答えました。その生徒は「昔のことや政府のことばかり、 詳しく勉強させられたのに、なぜ世界のことはほとんど教えてくれなかったか。平和や安全、生活の質、食料、インフレ、資源の枯渇など、グローバルな相互依 存に起因する問題に、おとなになれば毎日直面することを誰も教えてくれなかった」といって怒っていたそうです。「誰からも何の警告もしてもらえず、何も教 えられなかった。先生はなぜ僕が、“相互に依存する人類の一員だ”と教えてくれなかったのだろう?」』
アフリカとは直接的には関わりのない本ですが、グローバルな視点を持つことで、アフリカ(途上国)との関係性がみえてきます。私が英国に住んでいた 1988年にこの本が出版され、英国の開発教育関係者から良い本だから読むように薦められました。グローバルな視点を持つための理論、活動、環境が掲載さ れている。ワークショップのための手法が豊富に載っているので、ロバートチェンバースの「Participatory Workshop」でも、参加型トレーニング・ワークショップのアイディアやアドバイスが得られる本として推薦されています。
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