孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)

41qfiZg+XHL._SL500_AA300_前野 ウルド浩太郎
東海大学出版会
318ページ

サバクトビバッタに魅せられた若い研究者が、バッタとの20年間を書きおろしました。サバクトビバッタは生育環境の密度によって、色や大きさが変わります。その変化がどのような仕組みで起きるのかを解明するための、日夜惜しまず、週末の誘惑にも打ち勝ち努力した日々のお話し。

これはもう著者のバッタへの愛の物語です、はっきり言って。

実験の詳細が書かれていて、かなり科学的な内容ですが、一般的な読み物としても、これまた相当面白い内容です。国際学会に参加した時にフンドシ閉めて踊った話なんかも、科学的なお話の間にもぐりこませてあったりします。ひとえに、著者の文章力とモノの見方、考え方によるところが大きいのですが、バッタが好きで好きでしょうがない、ついでに実験も好きで好きでしょうがないからなのでしょう。

ちなみにサバクトビバッタはアフリカや中東などの砂漠地帯で時々大発生し、農作物に大きな被害を与えます。サバクトビバッタの習性を明らかにすることは、こうした被害を押さえるためにもとても重要なことです。

サバクトビバッタは緑色のものに群がって食べる習性を持っているそうです。筆者は緑色の服に身を包みバッタの群れに飛び込んで全身をむしゃむしゃ食べられる夢を実現するためにモーリタニアに向かいます。そして・・・・。

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