「マッドジャーマンズ:ドイツ移民物語」
花伝社
ビルギット・ヴァイエ 著
山口侑紀 訳
まだドイツが東西に分かれていた頃、独立したばかりのアフリカ大陸では社会主義を掲げる国が多かった。1975年にポルトガルから独立したモザンビークもその一つで、1979年に東ドイツ(社会主義の方のドイツ)と協定を結び、契約労働者を送り込み始めた。1991年に東西ドイツが統一されるまでの間に約2万人の労働者が東ドイツに渡った。この本(漫画です)は、そうした東ドイツのモザンビーク人労働者への取材をもとに創作された3人のモザンビーク人男女を主人公にしています。社会主義、移民、差別、故郷、家族、恋愛、独立後紛争、国家の裏切り、アイデンティティーなどをめぐる3人の交差しながら展開するそれぞれの人生がつづられています。フィクションですが、本の中で語られる多くの出来事は、実際にモザンビーク人労働者の身に起こったことです。著者はドイツ人ですが、物語はモザンビーク人の視点で書かれています。また、その時代と背景は違っていても、考えや想いには現代の移民たちと共通するものがあるのではないでしょうか。
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