奴隷になったイギリス人の物語:イスラムにとらわれた100万人の白人奴隷

奴隷になったイギリス人の物語:イスラムにとらわれた100万人の白人奴隷

ジャイルズ・ミルトン(著)、仙名紀 (訳)
アスペクト (2006)

ちょっと過激な、18世紀のマグレブにいた白人奴隷の話です。

トーマス・ペローという、11歳で叔父と貿易船に乗って航海に出た少年が、地中海で海賊につかまったのが1715年。その後の23年間をモロッコで奴隷として生きたペローを軸に、当時、数万人の白人奴隷の話の数々が記された、物語風のフィクションです。

内容は、白人中心に描かれ、脚色しすぎじゃないかと思われるくらい、スルタンの残虐さの数々が随所にあります。フェズやメクネスには、黒人奴隷もたくさんいたはずですが、彼らの描写はほとんどありません。スルタンの傍らで警備して、時にスルタンの命で処刑を執行していた黒人警備隊の話は頻繁に出てきます。メクネスのスルタンが、モーリタニアを超えてセネガル川あたりまで影響力を持とうとしていた様子も記されています。

モロッコを訪れる人はこんな本も読んでおくと、世界遺産でもあるメクネス塀や宮殿を見学するときに、歴史の中で起こったことやそこで生きていた人たちの様子に想像を広げることができるのではないでしょうか。

ペロー少年はスルタンの元で成長し、奴隷のままではありますが、兵隊を率いる隊長にまで出世します。そして数々の修羅場を乗り越えて、最後は・・・。

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現代アフリカ文化の今:15の視点から、その現在地を探る

「現代アフリカ文化の今:15の視点から、その現在地を探る」

ウスビ・サコ、清水貴夫 (編著)
青幻舎 (2020)

アフリカってやっぱり面白いなあ。

建築からファッション、音楽からコミック、現代アフリカ文化を広く網羅していて、アフリカの様々な地域や分野で繰り広げられているアートの今に触れられる本、アフリカってやっぱり面白いなあと思わせてくれます。

アフリカの芸術や文化は、もちろんアフリカの各地で花開き、今もどんどん進化しています。同時にそれらは、日本も含めた世界の各地でも根を下ろしたり、あるいは現地社会の中を漂ったりしながら、引き継がれたり進化したりしています。

多種多様なアフリカの現代文化を、200ページあまりの本で語りつくすことは到底できませんが、その豊かさや面白さに触れるには最適の本ではないでしょうか。文化人類学特有の言葉遣いがところどころで気になりますが、アフリカの現代文化に関心のある人ならだれでも楽しめる本です。

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