ビアフラ戦争:叢林に消えた共和国

室井 義雄(著)
山川出版社 (2003)

ナイジェリアで起き、当時「飢餓」の代名詞ともなったビアフラ独立戦争が終結して50年が経つ。この戦争は1967年、部族間・地域間の対立が背景となって、イボ人が多数派を占める東部の州が「ビアフラ共和国」として独立宣言したことに端を発する。その後、ビアフラ内は経済封鎖によって食料供給が止まり、飢えた子どもたちの映像がテレビを通じて世界中に報道された。
 各国では反戦意識が高まった。ジョン・レノンは抗議の意で英国勲章を返上し、米国コロンビア大の学生ブルース・メイロックが国連本部前で、パリの路上ではフランシーヌ・ルコントが、ビアフラの飢餓に抗議して焼身自殺した。新谷のり子が歌った「フランシーヌの場合」は彼女の死に触発されて作られた歌だ。約200万人が飢餓で命を落とし、ビアフラが降伏したことで戦争は70年に終結した。
 本書は、ビアフラ共和国独立前夜から、終戦までの主に軍人や政治家たちの動き、また諸外国の思惑と介入を克明に追ったものだ。植民地時代の歴史が、この戦争を長引かせてしまった原因でもあるという。
 ビアフラの独立を求める人々が今もいる。

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