Farmer Research groups: Institutionalizing participatory agricultural research in Ethiopia

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Farmer Research groups: Institutionalizing participatory agricultural research in Ethiopia

Dawit Alemu, Yoshiaki Nishikawa, Kiyoshi Shiratori, Taku Seo
Practical Actions Publishing Ltd
2016年

英語でちょっと固い内容の本ですが、アフリカの農業開発現場のことが書かれているので紹介します。

JICAが実施したエチオピアでの参加型農業研究の取り組みが本になりました。

参加型農業研究は、それまでの先進国の技術を途上国に移転すること・研究所における研究成果をそのまま普及しようとすることから起こる様々な問題の認識から、1980年代90年代に多くの研究がなされました。その大部分は、農民をどのように研究に参加してもらうかというものでした。その後、参加型研究の関係者にとってのメリットの実証研究は下火となり、援助業界のトレンドの変化もあって、いま農民の研究への参加は権利に基づくものやネットワーク・イノヴェーションの観点の議論が盛んになっています。そのような背景の中で、エチオピア農業研究機構はJICAとともに、2004年から2015年まで、農民研究グループ(FRG)アプローチの制度化に取り組むプロジェクトを実施しました。農家や普及員が研究に参加することによって、研究普及の効率が向上するという言説を踏襲するのではなく、そもそも研究者が参加型研究に参加することの意味とその際に必要な技能や態度についてプロジェクトマネジメントに関わった関係者とともに、実際に研究を実施した若手研究員自身による記述を行っています。トップダウンの傾向の強いエチオピアで、研究機関のマネジメントが参加型農業研究の重要性に気づきこれを制度化しようとした経緯、具体的に成功した事例だけでなく、失敗事例や研究機関・研究員のキャパシティの課題、なによりも外部からの援助による制度化の難しさも描かれてています。

開発現場で働く開発ワーカーや研究者、あるいは将来開発分野で働くことを目指す学生の方たちの参考となるでしょう。

ハードカバー版がとてつもなく高いですが、キンドル版が安価です。

アフリカ人間読本

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米山俊直(編)
河出書房新社
1987年

古い本ですが、アフリカ入門にはいいんじゃないかと思います。政治・経済は、説明としては古いけど、南アフリカのアパルトヘイト撤廃直前の頃のアフリカの様子として読めばとても興味深いし、日常生活から自然とのかかわりまで幅広くカバーされた話題は、アフリカを知ることの楽しさを伝えてくれます。研究者の個人的なエピソードがコラムとして掲載されていて、書かれている情報とともに、研究者のアフリカとの付き合い方がわかるのも楽しいです。

古い本なので、いまならただ同然(ほぼ、送料のみ)で購入できます。

アフリカにょろり旅

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アフリカにょろり旅
青山潤(著)
講談社
2009

研究者が書いた、マラウイ、ジンバブエ、モザンビークでのウナギ探しの旅のお話し。奇想天外で、ほぼ無計画な旅の途上に出会う人々、食べ物、乗り物、宿、市場、そしてウナギの話が、まるで漫画のストーリーように展開します。なにもそこまでしなくてもいいんじゃないというか、もう少し計画的な旅でもいいんじゃないかと思うし、登場する食べ物「ニャマチョマ」はスープ/シチューではなくて焼肉の間違いじゃない?と思いますが、そんな経験をしてまで幻のウナギを探し求める姿が滑稽でもあり、仙人のようでもあり。この本を読んで研究職志望者が減らないことを祈ります。専門であるアフリカのウナギの詳しい話があまり書かれていないのが少し残念。

研究者が書いたこちらの本も面白いです。

ビビのアフリカ旅行

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たがわ いちろう (著), 中村 みつを (イラスト)
ポプラ社

野良猫ビビ、そしてブルーベリー農園を営む「おじさん」の心の交流と別れを描いた絵本『ビビ』の刊行から6年。第2弾である本書では、野良猫ビビが日本を飛び出し、アフリカを訪ねます。学校や市場など人びとの日常生活から、診療所や市場の様子、過酷な労働をせざるを得ない子どもたちの貧困の問題などが、ビビの率直な驚き、悲しみと共に語られる絵本。現地ではサラム(平和)という名の猫と出会い、案内されながら、お互いの文化、生活を語り合います。
(Amazonの紹介文から)

エチオピア ナティはたよれるお兄ちゃん (世界のともだち)

エチオピア ナティはたよれるお兄ちゃん 写真・文 東海林美紀
偕成社(2015)

立派なお城が残るエチオピアの古都ゴンダール。そこに住むナティ少年を中心に、家族、食べ物、教会、お祭りなどが鮮やかに紹介する児童書。著者と少年や家族との親しい関係が伝わってくるあたたかい写真がたくさん、エチオピアの魅力が伝わってきます。子供たちのエチオピアの入門書、アフリカの入門書にぴったりですね。

同じ出版社からは、いろいろな国を紹介する本がシリーズで出ています。

SAPEURS (サプール) the Gentlemen of Bacongo

sapeursアフリカのコンゴ(コンゴ共和国)には、衣服に世界一お金をかける男たちがいる(女性もいるようですが)。ポール・スチュアートもインスピレーションを書きたてられたこのオシャレ男たちの本、日本語版がついに出ました(原書は2009年に出版されています)。オシャレにたいする気合の入れ方とお金の使い方がが半端ではありません。サプールたちのオシャレは確固たる美学に基づき、それは彼らの生きる哲学でもあります。平和を愛するオシャレ男たちの姿をぜひこの本で楽しんでください。そしてコンゴ共和国のことに関心を持ってもらえればうれしいです。

森は消えてしまうのか?エチオピア最後の原生林保全に挑んだ人々の記録

Ethiopiaforest エスノグラフィーとは観察の記録のことですが、この本はエチオピアで2003年から2012年まで行われたJICAの「参加型森林管理プロジェクト」を観察して記録した、プロジェクト・エスノグラフィーです。日本人専門家やエチオピア人カウンターパート、JICAの本部と現地事務所の担当者などが経験した、夢、困難、議論、喜びなどがストーリー仕立てで、詳しく解説されています。一般的な開発関係の専門書と違い、比較的平易な表現で書かれていることと、プロジェクトの内部に焦点が当てられていることが特徴です。

コーヒー発祥の地であるエチオピア南部には、今でも野生のコーヒーノキの群生を擁す原生林が広がっています。資源としてのそれら森と野生のコーヒーノキの重要性はもちろんですが、同時にそこに住む人々のことも忘れてはなりません。森林保全と人々の生活の安定の両方を目指したプロジェクトは、それだけでも最初からハードルの高いことが分かります。プロジェクトのカバーした分野は、生態系、林業、普及、住民組織、市場ブランド化まで広く、やり取りをした相手は農民から日本の輸入業まで多肢にわたります。

アフリカでの開発に関心のある学生から一般の方まで、広く読まれて良い本でしょう。