牛とともに耕す:エチオピアにおける在来型犂農耕の未来可能性

「牛とともに耕す:エチオピアにおける在来型犂農耕の未来可能性」
京都大学アフリカ地域研究資料センター

田中利和 著

エチオピアは牛耕の国。牛を使って畑を耕すなんて遅れているって考えていませんか?実は牛耕はエチオピアの農業とは相性の良い、とても良く考えられた技術なのです。だから牛耕で何千年ものあいだ、人々を養ってこれたのです。
そんな牛耕について、この本にはなぜそうなのかが書かれています。博士論文をベースにしているので少々専門的な内容ですが、アフリカ理解プロジェクトもエチオピアで活動し、筆者から話を聞いたり、実際に研究している村を案内してもらったりしたので、あえて紹介させてもらいます。少し固いのを我慢してこの本を読むと、エチオピアでどんな農業がおこなわれているのかを知ることが出来ます。筆者は研究対象としたエチオピア中部のオロモ語を話す地域の村に何度も住み込み、農作業を見たり、実際に牛耕作業を自ら経験したり、下宿先の「エチオピアの兄弟分やの親たち」から話を聞いて得た情報をもとにまとめられており、話はリアルです。

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京都大学アフリカ研究シリーズは、面白い本がそろっています。

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うしろめたさの人類学

「うしろめたさの人類学」ミシマ社
松村圭一郎 著

構築人類学(*)を提唱する文化人類学者が、研究フィールドのエチオピアでの体験やそこで考えたことなどをベースに、経済って何から始まり、国家と市場とわたしたち個人や社会をつなぐ制度や感情を人類学者の視点で解釈しなおしています。私たちのほとんどは、人と人、人と市場、人と国家などの関係性の中で、それぞれが居場所や役割をみつけて生きています。それぞれが持つそれら境界を引き直す試みをしてみよう、今ある構築された社会を一人一人の見る目や行動で変えていくことをやってみませんか、というメッセージの本だと思いました。本のタイトルにある「うしろめたさ」についての解説や「援助」の章の深さが少し心残りですが、新しい視点を与えてくれる面白くて説得力のある本です。分かりやすいはじまり、途中少し分かり難くなって(ちょっとアカデミックな感じになって)、でも最後はなるほどなあという気持ちになる本です。

*ジェンダーとかストレスなど社会の中にある性質や感情は、様々な作用の中で構築されてきたとされるが、そうした構築された社会を少し違う視点で組みなおしてみよう、そうしたらより良い社会の在り方が見えてくるかもしれない、そんなことを考えるのが構築人類学のようです。

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エチオピア ナティはたよれるお兄ちゃん (世界のともだち)

エチオピア ナティはたよれるお兄ちゃん 写真・文 東海林美紀
偕成社(2015)

立派なお城が残るエチオピアの古都ゴンダール。そこに住むナティ少年を中心に、家族、食べ物、教会、お祭りなどが鮮やかに紹介する児童書。著者と少年や家族との親しい関係が伝わってくるあたたかい写真がたくさん、エチオピアの魅力が伝わってきます。子供たちのエチオピアの入門書、アフリカの入門書にぴったりですね。

同じ出版社からは、いろいろな国を紹介する本がシリーズで出ています。

森は消えてしまうのか?エチオピア最後の原生林保全に挑んだ人々の記録

Ethiopiaforest エスノグラフィーとは観察の記録のことですが、この本はエチオピアで2003年から2012年まで行われたJICAの「参加型森林管理プロジェクト」を観察して記録した、プロジェクト・エスノグラフィーです。日本人専門家やエチオピア人カウンターパート、JICAの本部と現地事務所の担当者などが経験した、夢、困難、議論、喜びなどがストーリー仕立てで、詳しく解説されています。一般的な開発関係の専門書と違い、比較的平易な表現で書かれていることと、プロジェクトの内部に焦点が当てられていることが特徴です。

コーヒー発祥の地であるエチオピア南部には、今でも野生のコーヒーノキの群生を擁す原生林が広がっています。資源としてのそれら森と野生のコーヒーノキの重要性はもちろんですが、同時にそこに住む人々のことも忘れてはなりません。森林保全と人々の生活の安定の両方を目指したプロジェクトは、それだけでも最初からハードルの高いことが分かります。プロジェクトのカバーした分野は、生態系、林業、普及、住民組織、市場ブランド化まで広く、やり取りをした相手は農民から日本の輸入業まで多肢にわたります。

アフリカでの開発に関心のある学生から一般の方まで、広く読まれて良い本でしょう。

エチオピアのコーヒー生産者とフェアトレード:コーヒー協同組合の事例から

「エチオピアのコーヒー生産者とフェアトレード:コーヒー協同組合の事例から」児玉由佳、『グローバル化と途上国の小農』 重冨真一編/JETRO 2007 年

アフリカ理解プロジェクトが開催したコーヒー勉強会の資料。