アフリカ人間読本

61MlWLu9gRL._SL500_SX358_BO1,204,203,200_アフリカ人間読本
米山俊直(編)
河出書房新社
1987年

古い本ですが、アフリカ入門にはいいんじゃないかと思います。政治・経済は、説明としては古いけど、南アフリカのアパルトヘイト撤廃直前の頃のアフリカの様子として読めばとても興味深いし、日常生活から自然とのかかわりまで幅広くカバーされた話題は、アフリカを知ることの楽しさを伝えてくれます。研究者の個人的なエピソードがコラムとして掲載されていて、書かれている情報とともに、研究者のアフリカとの付き合い方がわかるのも楽しいです。

古い本なので、いまならただ同然(ほぼ、送料のみ)で購入できます。

広告

森は消えてしまうのか?エチオピア最後の原生林保全に挑んだ人々の記録

Ethiopiaforest エスノグラフィーとは観察の記録のことですが、この本はエチオピアで2003年から2012年まで行われたJICAの「参加型森林管理プロジェクト」を観察して記録した、プロジェクト・エスノグラフィーです。日本人専門家やエチオピア人カウンターパート、JICAの本部と現地事務所の担当者などが経験した、夢、困難、議論、喜びなどがストーリー仕立てで、詳しく解説されています。一般的な開発関係の専門書と違い、比較的平易な表現で書かれていることと、プロジェクトの内部に焦点が当てられていることが特徴です。

コーヒー発祥の地であるエチオピア南部には、今でも野生のコーヒーノキの群生を擁す原生林が広がっています。資源としてのそれら森と野生のコーヒーノキの重要性はもちろんですが、同時にそこに住む人々のことも忘れてはなりません。森林保全と人々の生活の安定の両方を目指したプロジェクトは、それだけでも最初からハードルの高いことが分かります。プロジェクトのカバーした分野は、生態系、林業、普及、住民組織、市場ブランド化まで広く、やり取りをした相手は農民から日本の輸入業まで多肢にわたります。

アフリカでの開発に関心のある学生から一般の方まで、広く読まれて良い本でしょう。

アフリカ地域研究と農村開発

掛谷誠・伊谷樹一(編著)
京都大学学術出版会
520ページ

タンザニアとザンビアの農村に調査研究や開発で関わった、主に研究者たちの成果がまとめられた本。調査者、あるいは開発の専門家として入った農村各地の社会やそこに暮らす人々に起こっている変化を、その背景と共に説明されています。JICAの技術協力プロジェクトとして農村開発に関わった経験についての部分では、特に「実践感覚」は「こころざし」「心の志向性」であるという点は大いに共感。本の性格上、すぐにはピンとこない用語が多く使われており、決して読みやすくはありませんが、地域研究者の持つ視点と考え方には、アフリカに関心を持ち、より深く知ろうとする人たちや、農村開発に関わる開発ワーカーには、有用なものが多いでしょう。