酒を食べる:エチオピア・デラシャを事例として

砂野 唯(著)
昭和堂 (2019)

酒を食べるエチオピア南部に住むデラシャという人たちのお話。もう少し正確に言うと、酒を主食にしている人たちのことを書いた本です。

文字通り、毎日5キロもの濁り酒を、農閑期には15回、農繁期には20回以上に分けて「食べる」。つまり、食事として摂る。朝起きてゴクリ、畑に出かける時にペットボトルやヒョウタンの容器に入れて家を後にし、仕事の合間にゴクリ、畑に行く道すがらにもゴクゴク、お昼にゴクゴク、帰宅してゴクゴク、寝る前にゴクゴク。一日に4から5時間がこの濁り酒を飲む時間に費やされるそうです。

エチオピアやその他の国々の発酵食品とそれらの栄養価についても説明されていて、食べ物としての酒の歴史と文化を知ることもできます。本当に目からうろこ、なあるほど、ええっ、が連続する本です。

どちらかというと専門書っぽい内容なので、できれば一般向けに、すらすら読める本を書いてほしいなと思いました。たくさんの人たちに知ってほしいです。デラシャの人たちの暮らしと文化を知ると、価値観変わりますよ・・・たぶん。

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海を渡った故郷の味-Flavours without Borders-

FlavoursWithoutBorders難民支援協会
104ページ

日本に住む難民の人たちが、それぞれの故郷の料理を紹介する本です。
世界には豊かな文化があること、難民の人たちが料理を通じて故郷に思いをはせていることが分かる本。
とてもステキな本に仕上がっています。

日本には1万人以上の難民がいるのですよ。

金融会社のマッコーリー・グループがこの本の制作を支援してくれたこともGOOD。

アフリカの「小さな国」―コートジヴォワールで暮らした12カ月

コートジヴォワールで暮らした12カ月アフリカの「小さな国」―コートジヴォワールで暮らした12カ月

大林公子著 集英社 2002年8月

研究者を選んだ夫と一緒に旧ザイール、ブルンジで暮らし、子育てもした著者 が、1999年から2000年にかけて12ヶ月を過ごしたコートジヴォワールからホー ムページを通して発信していた記録をまとめた新書。食材やソースのメモなど 食べ物に関する記述も多く、読んでいるといろいろと食べたくなってきます (アフリカンキッチンアフリカとあわせて読んでみて下さい)。著者がコートジヴォワ ール滞在中に経験したクーデターの記録にも臨場感を感じます。

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