ビアフラ戦争:叢林に消えた共和国

室井 義雄(著)
山川出版社 (2003)

ナイジェリアで起き、当時「飢餓」の代名詞ともなったビアフラ独立戦争が終結して50年が経つ。この戦争は1967年、部族間・地域間の対立が背景となって、イボ人が多数派を占める東部の州が「ビアフラ共和国」として独立宣言したことに端を発する。その後、ビアフラ内は経済封鎖によって食料供給が止まり、飢えた子どもたちの映像がテレビを通じて世界中に報道された。
 各国では反戦意識が高まった。ジョン・レノンは抗議の意で英国勲章を返上し、米国コロンビア大の学生ブルース・メイロックが国連本部前で、パリの路上ではフランシーヌ・ルコントが、ビアフラの飢餓に抗議して焼身自殺した。新谷のり子が歌った「フランシーヌの場合」は彼女の死に触発されて作られた歌だ。約200万人が飢餓で命を落とし、ビアフラが降伏したことで戦争は70年に終結した。
 本書は、ビアフラ共和国独立前夜から、終戦までの主に軍人や政治家たちの動き、また諸外国の思惑と介入を克明に追ったものだ。植民地時代から諸外国の思惑と介入が、この戦争を長引かせてしまった原因でもあるという。
 ビアフラの独立を求める人々が今もいる。

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酒を食べる:エチオピア・デラシャを事例として

砂野 唯(著)
昭和堂 (2019)

酒を食べるエチオピア南部に住むデラシャという人たちのお話。もう少し正確に言うと、酒を主食にしている人たちのことを書いた本です。

文字通り、毎日5キロもの濁り酒を、農閑期には15回、農繁期には20回以上に分けて「食べる」。つまり、食事として摂る。朝起きてゴクリ、畑に出かける時にペットボトルやヒョウタンの容器に入れて家を後にし、仕事の合間にゴクリ、畑に行く道すがらにもゴクゴク、お昼にゴクゴク、帰宅してゴクゴク、寝る前にゴクゴク。一日に4から5時間がこの濁り酒を飲む時間に費やされるそうです。

エチオピアやその他の国々の発酵食品とそれらの栄養価についても説明されていて、食べ物としての酒の歴史と文化を知ることもできます。本当に目からうろこ、なあるほど、ええっ、が連続する本です。

どちらかというと専門書っぽい内容なので、できれば一般向けに、すらすら読める本を書いてほしいなと思いました。たくさんの人たちに知ってほしいです。デラシャの人たちの暮らしと文化を知ると、価値観変わりますよ・・・たぶん。

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奴隷になったイギリス人の物語:イスラムにとらわれた100万人の白人奴隷

奴隷になったイギリス人の物語:イスラムにとらわれた100万人の白人奴隷

ジャイルズ・ミルトン(著)、仙名紀 (訳)
アスペクト (2006)

ちょっと過激な、18世紀のマグレブにいた白人奴隷の話です。

トーマス・ペローという、11歳で叔父と貿易船に乗って航海に出た少年が、地中海で海賊につかまったのが1715年。その後の23年間をモロッコで奴隷として生きたペローを軸に、当時、数万人の白人奴隷の話の数々が記された、物語風のフィクションです。

内容は、白人中心に描かれ、脚色しすぎじゃないかと思われるくらい、スルタンの残虐さの数々が随所にあります。フェズやメクネスには、黒人奴隷もたくさんいたはずですが、彼らの描写はほとんどありません。スルタンの傍らで警備して、時にスルタンの命で処刑を執行していた黒人警備隊の話は頻繁に出てきます。メクネスのスルタンが、モーリタニアを超えてセネガル川あたりまで影響力を持とうとしていた様子も記されています。

モロッコを訪れる人はこんな本も読んでおくと、世界遺産でもあるメクネス塀や宮殿を見学するときに、歴史の中で起こったことやそこで生きていた人たちの様子に想像を広げることができるのではないでしょうか。

ペロー少年はスルタンの元で成長し、奴隷のままではありますが、兵隊を率いる隊長にまで出世します。そして数々の修羅場を乗り越えて、最後は・・・。

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現代アフリカ文化の今:15の視点から、その現在地を探る

「現代アフリカ文化の今:15の視点から、その現在地を探る」

ウスビ・サコ、清水貴夫 (編著)
青幻舎 (2020)

アフリカってやっぱり面白いなあ。

建築からファッション、音楽からコミック、現代アフリカ文化を広く網羅していて、アフリカの様々な地域や分野で繰り広げられているアートの今に触れられる本、アフリカってやっぱり面白いなあと思わせてくれます。

アフリカの芸術や文化は、もちろんアフリカの各地で花開き、今もどんどん進化しています。同時にそれらは、日本も含めた世界の各地でも根を下ろしたり、あるいは現地社会の中を漂ったりしながら、引き継がれたり進化したりしています。

多種多様なアフリカの現代文化を、200ページあまりの本で語りつくすことは到底できませんが、その豊かさや面白さに触れるには最適の本ではないでしょうか。文化人類学特有の言葉遣いがところどころで気になりますが、アフリカの現代文化に関心のある人ならだれでも楽しめる本です。

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ミルクをこぼしちゃだめよ

「ミルクをこぼしちゃだめよ」

スティーヴン デイヴィーズ (著), クリストファー コー (イラスト), 福本 友美子 (翻訳)
ほるぷ出版 (2013)

カラフルでとても読みやすい、子供向け絵本。

西アフリカのニジェールで、ペンダという女の子が、山のうえのおとうさんに、ボウルに入れたミルクを頭の上にのせてとどけるお話です。ストーリーの裏には挑戦、探求、信念、家族愛の要素がちりばめられています。

子供が、異国ニジェールの生活、文化、自然などに触れることのできる本。年長組から小学校の低学年向け。

最後がほろり。

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種子のデザイン

「種子のデザイン」
岡本 素治 著
LIXIL出版

「種って面白い」と発見したのはアフリカ。巨大なものやら、羽や刺がついてるものやら、不思議な形状のもの、まるでアート。
こんな種を集めて写真集にしたら面白いなあと思っていたら、あちゃー先を越された。
京都の本屋さんで見つけた1冊。こちらは世界の種子でデザインが美しいものが載っている。種子入門編として楽しめる。

アフリカの家の庭にあったカエンボク、カポックetc. 花や実もよかったが、子孫を残すために工夫を凝らした種子のデザインは、究極のアート!
写真の種は何の種でしょう?

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チョンキンマンションのボスは知っている

「チョンキンマンションのボスは知っている」
春秋社
小川さやか 著

タイトルだけで、いったいどれほどの人たちの心をつかむだろうか?

人類学者が、香港のタンザニア人コミュニティの中に身を置き、その一部になることで観たこと、経験したこと、考えた人生のことなどが生き生きと描かれている。

香港のタンザニア人コミュニティーを維持している「シェアリング経済」や相互扶助組合、ICTを使った本国との取引のしくみと、それらの合間を埋めている、お互いの人生に深く踏み入らないながらも、排除もしない価値観やコミュニティの在り方は、面白いし、読んでいてなるほどとなり、最後にはこんな人生面白そうだなという気持ちになり、こんな社会に身を置いたら安心かもという気にもなってくる。

”おわりに”で筆者が「私たちは必ずしも『危険な他者』や『異質な他者』を排除しなくてもシェアができるということを考える一歩になれば、うれしく思う」と述べている。私たちがこれからどのような社会で生きていこうとしているのかを考えることを助けてくれる一冊だろう。

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アフリカ教材シリーズVol.2「コーヒーモノガタリ改訂増補版」

定価:2000円+税
ISBN 978-4-9904657-4-2
発行:アフリカ理解プロジェクト
執筆:織田雪江
監修:辻村英之、アフリカ理解プロジェクト
発行日:2019年4月1日
対象:小学校高学年~大学

世界の第一次産品貿易における代表的なコーヒーを切り口に、アフリカの豊かな文化と可能性、コーヒーをめぐる人々の暮らし、アフリカと私たちの課題を学び、解決に向けて行動を共に考える教材。

2012年に出版した「コーヒーモノガタリ」の改訂増補版です。

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旧版への書評:エチオピ屋の研究記録

目次
学習の展開
1 コーヒーをめぐる多様な文化
2 コーヒーの生産国と消費国からみえること
3 コーヒーの価格を決めるのはだれ?
4 タンザニアのルカニ村を訪ねてみよう!
5 フェアトレードコーヒーのパッケージを比べてみよう
6 フェアトレードコーヒーのポップをつくろう
7 コーヒー農家の現状をよりよくする方法を考えよう
資料1 コーヒーセレモニー
資料2 国際フェアトレードラベル機構による国際フェアトレード認証のしくみ
資料3 ルカニ村2001-コーヒー危機のころの様子
資料4 ルカニ村2008-「ルカニ村・フェアトレードプロジェクト」のあゆみ
資料5 フェアトレードコーヒーパッケージ比較表
ワークシート1-6
別冊<写真資料40枚>

アアフリカのことわざ

深い!
「アアフリカのことわざ」
アフリカのことわざ研究会
東邦出版

人生、仕事、愛、道理についての、「なるほどー」と思うことわざの数々。

あなたの人生が豊かになること間違いなし。

続編が待ち望まれます。

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アフリカンプリント:京都で生まれた布物語

「アフリカンプリント:京都で生まれた布物語」
青幻舎

並木 誠士・青木 美保子 著
京都工芸繊維大学美術工芸資料館 監修

IMG_20190713_075016カラフルな布がアフリカの日常を彩っている。そんな布が一時期、アフリカから遠く離れた日本の京都で生産されていた。生産を担っていた企業のひとつ「大同マルタ染工」に残っていた資料と、当時を知る人たちへのインタビューで構成され、鮮やかで特徴のある文様をたくさんの写真で楽しむことの出来る本です。また、今ではアフリカを特徴づけるものの代表といえるアフリカンプリントがどのように生まれて、アフリカの人々の間に浸透していったのかという歴史を知ることも出来ます。ここにも、アフリカと日本をつなぐ過去の歴史が刻まれています。

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