アフリカンプリント:京都で生まれた布物語

「アフリカンプリント:京都で生まれた布物語」
青幻舎

並木 誠士・青木 美保子 著
京都工芸繊維大学美術工芸資料館 監修

IMG_20190713_075016カラフルな布がアフリカの日常を彩っている。そんな布が一時期、アフリカから遠く離れた日本の京都で生産されていた。生産を担っていた企業のひとつ「大同マルタ染工」に残っていた資料と、当時を知る人たちへのインタビューで構成され、鮮やかで特徴のある文様をたくさんの写真で楽しむことの出来る本です。また、今ではアフリカを特徴づけるものの代表といえるアフリカンプリントがどのように生まれて、アフリカの人々の間に浸透していったのかという歴史を知ることも出来ます。ここにも、アフリカと日本をつなぐ過去の歴史が刻まれています。

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ストリートの精霊たち

「ストリートの精霊たち」
世界思想社

川瀬 慈 著

文化人類学者の筆者が、エチオピアの古都ゴンダールで出会った人々、主にアズマリと呼ばれる弦楽器を弾き語る楽師、宿泊するホテルの部屋に出入りする若者たちなどとの生のやり取り、筆者の感じたことが正直に綴られている。小説のような詩のような、あるいは日記のような内容なので、読者は誰でも、筆者のゴンダールのストリートでの日々を追体験することが出来る。論文ではないから感じられることがあるなと思います。

「ゴンダールのストリート、それは歌い、踊り、怒り、さまよい、嗚咽するのです。」

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牛とともに耕す:エチオピアにおける在来型犂農耕の未来可能性

「牛とともに耕す:エチオピアにおける在来型犂農耕の未来可能性」
京都大学アフリカ地域研究資料センター

田中利和 著

エチオピアは牛耕の国。牛を使って畑を耕すなんて遅れているって考えていませんか?実は牛耕はエチオピアの農業とは相性の良い、とても良く考えられた技術なのです。だから牛耕で何千年ものあいだ、人々を養ってこれたのです。
そんな牛耕について、この本にはなぜそうなのかが書かれています。博士論文をベースにしているので少々専門的な内容ですが、アフリカ理解プロジェクトもエチオピアで活動し、筆者から話を聞いたり、実際に研究している村を案内してもらったりしたので、あえて紹介させてもらいます。少し固いのを我慢してこの本を読むと、エチオピアでどんな農業がおこなわれているのかを知ることが出来ます。筆者は研究対象としたエチオピア中部のオロモ語を話す地域の村に何度も住み込み、農作業を見たり、実際に牛耕作業を自ら経験したり、下宿先の「エチオピアの兄弟分やの親たち」から話を聞いて得た情報をもとにまとめられており、話はリアルです。

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京都大学アフリカ研究シリーズは、面白い本がそろっています。

マッドジャーマンズ:ドイツ移民物語

「マッドジャーマンズ:ドイツ移民物語」
花伝社
ビルギット・ヴァイエ 著
山口侑紀 訳

まだドイツが東西に分かれていた頃、独立したばかりのアフリカ大陸では社会主義を掲げる国が多かった。1975年にポルトガルから独立したモザンビークもその一つで、1979年に東ドイツ(社会主義の方のドイツ)と協定を結び、契約労働者を送り込み始めた。1991年に東西ドイツが統一されるまでの間に約2万人の労働者が東ドイツに渡った。この本(漫画です)は、そうした東ドイツのモザンビーク人労働者への取材をもとに創作された3人のモザンビーク人男女を主人公にしています。社会主義、移民、差別、故郷、家族、恋愛、独立後紛争、国家の裏切り、アイデンティティーなどをめぐる3人の交差しながら展開するそれぞれの人生がつづられています。フィクションですが、本の中で語られる多くの出来事は、実際にモザンビーク人労働者の身に起こったことです。著者はドイツ人ですが、物語はモザンビーク人の視点で書かれています。また、その時代と背景は違っていても、考えや想いには現代の移民たちと共通するものがあるのではないでしょうか。

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まんが アフリカ少年が日本で育った結果

「まんが アフリカ少年が日本で育った結果」毎日新聞出版
星野ルネ (著)

アフリカ生まれで日本育ちの少年が、日本社会の中で出会った出来事を漫画で綴ったこの本は、別の角度から日本を見ているという意味でもとても面白そうな本です。

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トレバー・ノア:生まれたことが犯罪!?

「トレバー・ノア:生まれたことが犯罪!?」英治出版
トレバ―・ノア(Trevor Noah)著
齋藤慎子 訳

これは母の愛の詰まった本です。そして、アパルトヘイト廃止前後の南アフリカの社会を、黒人でも白人でもない「カラード」の(でも、黒人社会の中で育った)著者の目から語られている本です。トレバ―・ノアはアメリカのTV番組「A Daily Show with Trevor Noah」という政治風刺で人気を博す番組の司会を務めるコメディアン(しかもシリアスで鋭い)。本は南アフリカでの彼と母親の暮しを中心に、彼の出生の背景(コサの母親とドイツ系スイス人の父親)、言葉と宗教と社会、黒人の毎日の暮しなどが、父親や親戚や友人とのさまざまなを通じてとても面白く描かれています。2センチくらいの厚い400ページの本ですが、一気に楽しく読めました。そして、南アフリカの今まで分からなかったことを知ることが出来ました。名誉白人という不名誉なタイトルを一時期保持していた日本に関係することも、ほんの少しだけですが書かれています。

6年前から米国に住むトレバ―・ノアは、現在大ヒット中の映画「ブラックパンサー」にコンピューターの声で登場しています。また、彼は最近「The Donald J. Trump Presidential Tweet Library」という、トランプ大統領のツィート集も出しました。

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バッタを倒しにアフリカへ

「バッタを倒しにアフリカへ」光文社新書
前野ウルド浩太郎 著

バッタに食われたいという夢を実現するためにバッタ研究者になり、サバクトビバッタの聖地サハラ砂漠に飛んだバッタ博士のフィールド記。モーリタニアでの研究所での暮らし、研究者をはじめ日々の暮らしで接した人たちのこと、そしてバッタのことなどを著者の持ち前のユニークな視点とユーモアたっぷりの文章で綴られています。バッタの本という割に中身はなかなか現れてくれないバッタを探し求めた奮闘の日々や著者の心もようが主体です。サバクトビバッタのことはそんなに書かれていません。もっとバッタのことを知りたい人は、同じ著者の「孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)」がおすすめです。こちらも十分に面白くて笑いが抑えられない本なので、期待は裏切られません。どちらも、モーリタニアという日本にはあまりなじみのない国の一端がわかる本でもあります。

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