
ファッション・料理・インテリア・アート&クラフトなど、ものづくりの中からアフリカの人々の暮らしや文化を理解していく本です。「おしゃれなアフリカ」の世界を、本を通してあなたも体験してみませんか?
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いまも裁かれぬ加害者たちを追う夫婦がいた
ルワンダで起こった悲劇は1994年4月から7月にかけて発生しました。この100日間で約100万人が命を落としたとされています。いわゆる「ルワンダ大虐殺(ルワンダ・ジェノサイド)」です。2004年に公開された映画「ホテル・ルワンダ」を覚えている人も多いでしょう。
この本は、多くの人々の記憶に残るこの悲劇に関与した疑いのある関係者がフランスに逃れている中、それらを追い続けるアレンとダフロサ・ゴティエ夫妻の物語を、コミック形式で描いたノンフィクションです。
フランスには、虐殺実行側の指導的立場にあった者たちが多く逃れています。本書では、2022年にルワンダ南部ギコンゴロ県の元知事ローラン・ビュシバルタがフランスの裁判所から有罪判決を受けた事例が紹介されています。裁判は現在も続いており、2024年には元医師のユジュール・ルワムチョが、2025年には元医師のソステヌ・ムニイマナに20年以上の懲役刑が下されています。
ルワンダに少し詳しい方は、和解のための簡易裁判「ガチャチャ裁判」をご存じでしょう。被害者と加害者が同じ村で再び共に暮らすための「赦し」と「和解」を促すため、地域住民が判事を務め、公開の場で審理が行われたものです。
悲惨な出来事が語られるため読み進めるのが苦しい本ですが、ゴティエ夫妻の思いが強く伝わってきます。私たちにとって1994年の虐殺が目立ちますが、1959年、1963年、1973年、1990年にも数万人規模の虐殺が発生し、1994年の大虐殺も1992年頃から始まっていたことを、本書で知りました。
ツチ族とフツ族の対立は、ベルギー支配下の統治方法に端を発しています。1994年の大虐殺については、フランスが共犯者として非難されており、フランス自身が設置した歴史調査委員会は、フランスが「重大」で「圧倒的な」責任を負うと報告しています。
現在のルワンダでは、民族融和政策が一定の成果を上げているようです。あれだけの規模と悲惨さを歴史に抱えた国を運営する困難さは、容易に想像がつきます。内容は重いものの、コミック形式のおかげで短時間で読めるのはありがたいです。民族和解の様子も描いてくれたらもっと良かったですが、ルワンダ大虐殺の持つ一面を把握できる優れた一冊だと思います。ルワンダを知るための一冊です。
書籍の購入は「ルワンダ―逃亡した虐殺者を追ってちら」から
同じ翻訳者による「エチオピアの季節」もあります。

近年、日本で消費されるタコは約6割が輸入だ。多い順にモーリタニア、モロッコ、中国、ベトナムとなっている。この4カ国で9割を占め、その半分以上がアフリカのモーリタニアとモロッコから来ている。このところ、円安で値上がりし、他の輸入国に競り負けているとも聞くので、さらに高いタコになるかもしれないのが、タコ好きとしてはイタイ。
さて、このブックレットは日本に来るタコが穫れる西サハラの話だ。西サハラは元スペイン領で、1976年に独立が宣言され、1984年には当時のアフリカ統一機構(現在のアフリカ連合)に加盟したが、モロッコが実質支配している。国連は西サハラの帰属は住民投票によって決定することを決めたが、投票は棚上げにされたまま今日に至っている。日本はモロッコの西サハラ領有も、西サハラの独立も認めていない。
日本で売られているタコは「モロッコ産」、「モーリタニア産」、あるいは「アフリカ産」と表示されている。このうち、モロッコ産のタコのほとんどは西サハラ産だが、「西サハラ産」の表示は見ない。このブックレットには、その政治や経済的な背景と、本来であればどうあるべきかが説明されている。
日本人が消費する食料の自給率はカロリーベースで4割を下回り、家畜飼料の自給率も考慮すればさらに低いとも言われている。私たちの食料は遠い西サハラも含めて諸外国に頼っている。私たちの食卓に並ぶ食品の由来に関心を持つ消費者になることがこれまでにもまして必要になっている。
ニジェールのドクター・タニ

川本晴夫(著)
国際開発ジャーナル社
「アフリカに生きた奇跡の外科医。医療に尽くしたドクター・タニ、無償の愛に生きた砂漠の画家、アフリカの地に並んで眠る(本の帯から」
1979年から2017年に現地で亡くなられるまで、西アフリカ・ニジェールの乾燥地帯で医療活動に従事され、現地医療の改善に大きな貢献を残された外科医・谷垣雄三さんという方がいる。この本は、谷垣医師と同医師に同行して現地で暮らし、1999年に現地で亡くなられた画家の静子夫人の物語だ。
信州大学で共に学んだ旧友や登山仲間、ニジェールで交流のあった青年海外協力隊員たちを中心に、谷垣夫妻が生き抜いた人生の様々な出来事が語られている。日本に較べればはるかに過酷な環境で暮らし、40年近くにも渡って現地社会のために命を懸けられたご夫妻の人生は並大抵のものではない。二人の意志の強さに他ならないが、その強さが何に根差しているのか、本を読み進めるうちに見えてくる。篤い信仰心や学生運動に身を投じた時代背景が大きく影響しているように感じられ、二人の愛情が強さを支えていたのだろうと感動する。
谷垣医師は、現地での持続可能な医療技術の開発にも、実践を通して取り組んだ。内視鏡手術にも取り組む一方で、高価な医療用資材ではなく、現地で手に入る材料の有効性を実践を証明し、手術の低コスト化を実践した。まさに、実践的技術協力の良い事例であり、開発ワーカーの皆さんにも参考になるだろう。静子さんが描き続けた砂漠の人々の姿が素晴らしい。
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チャイナフリカ、マキアート、内戦前夜の3年間

ヴァンサン・ドゥフェ/カリム・ルブール(作)
レオ・トリニダード(絵)
石井恵子(訳)
花伝社
フランス通信社の特派員カリムとフリージャーナリストのヴァンサンが滞在したエチオピアの、2014年から2017年の3年間をマンガの滞在記にしました。アニメーターのレオが二人の経験を軽妙なタッチで描いてます。時は経済成長率が10%と発展の勢いに乗り、特に首都のアジスアベバが大きな変貌を遂げていたころ。2018年に誕生した新政権のアビー首相が翌年、隣国エリトリアとの和平でノーベル賞を受賞して希望のピークへと向かう。しかし、著者の二人はこの希望の国で、国外脱出を望む若者たちに出会い、干ばつに見舞われた村を訪れ、そして方々で報道規制をうける。2020年11月から2年間続いた、前政権の中核だった北部の政党と戦闘状態に陥る前夜のことだ。「訳者解説」もエチオピア理解に役立ちます。
読みやすいこうした本がもっとたくさん出てくると、日本でのアフリカ理解も進むことでしょう。
著者たちはジャーナリストなので仕方ないのですが、人々の普通の日常にある喜怒哀楽も描写してくれたらよかったのにと思います。確かに描かれている課題は存在しますが、これらが国を埋め尽くしているわけではないので。
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アフリカ理解プロジェクト編
アフリカ理解プロジェクト出版
モノづくりは人づくり
国際協力・アフリカを目指す人たちへ
本書は2つの話題で構成しています。
第1章は、モノづくりの話です。13年前、アフリカの小さな生産者グループとはじめたモノづくりの経験を共有しています。「ボーダレス時代」の新たな方法です。
第2章は、アフリカの楽しみ方の話です。8つのトピックス(衣・食・植物・旅・名産品・音楽・アート・学び)から多様なアフリカを知り、学び、体験することができます。
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日本がアフリカに置き去りにした秘密

三浦 英之(著)
集英社
フランスのメディアが報じた、コンゴに進出した日本企業の従業員に関する衝撃的な記事の紹介で、このポタージュが始まる。高度経済成長期にアフリカの資源開発のために進出した日本企業は、多くの日本技術者を現地に派遣した。技術者たちが現地で過ごした数年間の間に現地社会との交流があり、彼らが去ったあと現地に残された秘密を筆者が解明しようとした足跡が綴られている。日本企業、現地の日本大使館、現地関係者から丹念に情報収取するが、肝心なところがなかなか明らかにならない。
海外メディアの取り上げ方もトピックの一つだが、日本人や日本社会の、人権、家族、愛情を「正義」という概念で明らかにしようとする著者の試みの方が考えさせられる。社会問題となる出来事だったかもしれないが、拡大家族となりえた接点を、日本社会の価値観が閉ざしてしまった出来事といえるだろう。点と点の繋がりが(まだ)完結できていないことが悲しい。
第22回新潮ドキュメント賞、第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞を受賞。
【目次】
序章 不可解なルポルタージュ
第一章 真実への距離
第二章 ジャパニーズ・ネームの秘密
第三章 日本人が遺したもの
第四章 BBCの「誤報」
第五章 修道院の光
第六章 空と銃声
第七章 祖国への旅
第八章 富と紛争
第九章 未来への賭け
第一〇章 医師たちの証言
第一一章 闇の奥へ
第一二章 伴走者への手紙
第一三章 正しく生きるということ
あとがき 悲しき宿命の残影
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ひがしとうきょうまちまち

かつしか けいた(著・絵)
TWO VERGINS
両親がエチオピア人の小学生、不登校の中学生、両親がインドネシア人と日本人のモスリムの大学生が、ある日出会って仲良くなります。そして、年齢も背景も「区区(まちまち)」な3人が、葛飾区、荒川区、江東区のあちらこちらを歩き回り、フィールド調査をします。そこに描き出されるのは、「東(ひがし)東京」の地理、歴史、産業、そしてそこに住む国際色豊かな人々の暮らしです。
この本は、東京の近代化が、単に道路や橋やビルの近代化だけでなく、そこに住む人々の多様化と、それらの人々の日々の暮らしが紡ぎだしてきた景色の変化でもあることを気づかせてくれます。
読みだすと東東京を散策したくなります。ぜひ、この本を片手に出かけてみてください。面白い発見と、楽しい出会いがあることでしょう。
東京って、ダイナミック!
続編に期待。
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おおきくなりたくなかった おんなのこ

ヴェロニク・タジョ(著)
ベルトラン・デュボワ(絵)
村田はるせ(訳)
風濤社
アフリカのある国に住む少女が、家族と共に暮らす村で起こる困難に立ち向かう物語。少女が、かわいさや受け身といったこれまでのステレオタイプではなく、自発的に行動する姿で語られています。困難と悲しさへが描かれていますが、読み終わると、力強さと愛に包まれた感じにもなります。絵も素晴らしいです。
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日本人ってだれのこと?外国人ってだれのこと?

木下理仁(著)
太郎次郎社エディタス
「あなたはナニ人ですか」で始まるこの本。読み終わると、自分が何者かも、世界にはどんな人たちがいるのかも、いままでよりわかるようになった気がする。大人が読んでもいいというか、大人が読むべき本だ。この本を読めば、世界を見る目も、世界の中の日本を見る目も広がるでしょう。そして、最後の章のタイトル「きみはナニ人として生きていくか」を考えてみましょう。
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京都で生まれた布物語

京都工芸繊維大学美術工芸資料館(監修)
並木誠士・上田文・青木美保子(著)
青幻舎
「『太陽の文様』、『カシューナッツ』、『不思議な幾何学文様』アフリカの人々の日常に欠かせないあの鮮やかな布たちが
京都で作られていた!」
掲載されている布たちの柄と色が楽しい。そして、その布たちが京都でつくられ、アフリカ大陸に輸出されていたという話に驚く人が多いだろう。伝統の街京都は海外進出では先進地だったんですね(祇園祭の山鉾を見ていてもそれは分かりますが)。かつての京都繊維業の経営者と技術者たちのアフリカへの情熱が伝わってくる本です。
こちらもぜひ。
Youtube「アフリカx日本アレワ紡績の時代ナイジェリアと日本の繊維生産1963ー2005」で、かつてナイジェリアで仕事をされていた深尾幸一さんが、京都工芸繊維大学美術工芸資料館での展示を解説されています。
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